産後こそ、夫婦の関係をもっと心地よく。「共感」と「協力」から考えるパートナーシップ

「夫が家事や育児を全然手伝ってくれない・・」
もしくは
「夫も家事や育児をしてくれている。
それなのに、なんだかモヤモヤする」
「こんなにやってくれているのに、どうして私はイライラするんだろう?」
産後、そんな気持ちになったことはありませんか?
私自身、第二子を出産したときに、まさにそんな経験をしました。
今振り返ると、産後のパートナーシップに必要なのは、単に「どれくらい家事や育児をしてくれるか」だけではなかったんです。
そこには、
「協力」と「共感」
この2つのバランスが大きく関係していたのだと思います。
今日は私自身の経験も交えながら、産後のパートナーシップについて考えてみたいと思います。
夫は、本当によくやってくれていた

第二子を出産したとき、夫は本当によく動いてくれていました。
家事をして、上の子のお世話をして、さまざまな手続きをして。
もちろん仕事もありました。
当時、私たちはアメリカのシカゴで暮らしていました。
慣れない土地で、言葉も制度も日本とは違って、そんな中で、夫は「自分がやらなければ」と思っていたのだと思います。
私たち夫婦は、もともとお互いが比較的自立していて、それぞれが得意なことを分業するスタイル。
いわば、家庭というチームを一緒に運営していく「共同経営者」のような夫婦です。
だから夫にとっては、
「家族のために、やるべきことをきちんとやる」
ことが、家族を支えることだったのだと思います。
実際、本当に助かっていました。
でも――。
私はどこか寂しかったし、必死に仕事と家事・育児をする夫がイライラしている表情や態度にモヤモヤしていました。
せっかく待望の第二子が生まれたばかりだと言うのに「もうこの人とこれからの人生を一緒に生きていくのは無理かもしれない・・」と思うこともあったんです。
「家事なんて、今はやらなくてもいいのに」

第二子は、私たちにとって、やっとやっと会えた赤ちゃんでした。
なかなか授かることができず、その間に2度の流産も経験しました。
だから、無事に生まれてきてくれたことが本当に嬉しかったんです。
「やっと会えた」
「かわいい」
「生まれてきてくれて嬉しい」
私はそんな気持ちを、夫と一緒に味わいたかったんだと思います。
でも、実際の産後はそんなにゆったりしたものではありませんでした。
慣れないアメリカでの出産。
出産後、約1日半で退院!!日本では5日が平均ですが・・アメリカでは2日です。
すぐに自宅での育児が始まりました。
かなり安産だった私でさえ、まだ後陣痛も痛む身体で赤ちゃんのお世話をする毎日はきつかったです。
夫も仕事をしながら、家事、赤ちゃんのお世話、各種手続き……と、たくさんのことを抱えていました。
余裕がなく、明らかにイライラしていたし、せかせかとしていました。
赤ちゃんを可愛がるといった様子が見られませんでした。
そんな夫を見ながら、私は
「家事なんて、今は完璧にやらなくてもいいのに」
部屋が多少散らかっていてもいい。
いつも通りに全部できなくてもいい。
それよりも、一緒に赤ちゃんを眺めて、
「かわいいね」って笑ってほしかった。
私が授乳したり、赤ちゃんのお世話をしたりしていたら、
「大変だよね」「大丈夫?」
って言ってほしかった。
今振り返ると、私は産後すぐのこの時期家事完璧にしてほしかったわけではなく、
「一緒に親になった喜びを感じたかった」
「産後の自分を労ってほしかった」
のだと思います。
「協力してくれているのに、どうして満たされないんだろう?」
当時は、自分でもこんなにうまく言葉にできませんでした。
夫はよくやってくれている。それなのに、どうして私はモヤモヤするんだろう。
でも、振り返ってみて分かったんですよね。
私があのとき欲しかったのは、「協力」だけではなく「共感」だったんです。
夫は、
家族のために「やるべきこと」をやることで私を支えてくれていました。
一方、私は、気持ちに寄り添うことで支えてほしかった。
穏やかで幸せな空気で、笑い合っていたかった。
どちらが正しい、間違っている、という話ではありません。ただ、夫が「相手のため」と思ってしてくれていたことと、私がそのとき本当に求めていたものに、ズレがあったのです。
産後のパートナーシップに必要な「共感」と「協力」
産後の夫婦関係を考えるとき、大きく2つの要素があると思います。
一つは、協力・行動。
赤ちゃんのお世話をする。
家事をする。
上の子のお世話をする。
夜間対応を交代する。
必要な手続きをする。
そして、もう一つは、共感・寄り添い・育児への主体性。
「大変だったね」
「今日もありがとう」
「眠れてないけど大丈夫?」
「赤ちゃんかわいいね」
そんなふうに、相手の大変さや喜びを一緒に感じることや育児に対しても「自分ごと」として捉えることです。
どちらか一方だけでは、うまくいかないことがあります。
「大変だね」と優しく言ってくれても、すべての家事や育児を一人で抱えていたら、やっぱりつらい。
反対に、家事や育児をたくさんやってくれていても、気持ちを分かってもらえていないと感じれば孤独になることも負担になることもあります。
だから大切なのは、
共感か、協力か、ではなく「共感も、協力も」。
そして、その「ちょうどいいバランス」は、夫婦によって違います。
同じ夫婦でも、そのときの状況によって変わっていくのだと思います。
共感と協力から見る夫婦関係
「共感」と「協力」で考えた時に夫婦関係との関係をわかりやすくまとめたイメージ図です。⇩

夫婦関係向上①「共感」と「協力」が両方あるタイプ
夫婦関係維持②「共感」と「協力」のどちらかが不足しているタイプ
夫婦関係低迷③ 両方不足しているタイプ
ご自身はどのタイプでしょうか?
我が家はイラストで言うと②夫婦関係維持タイプのBタイプ「共同経営者、お互いがそれぞれ頑張るスタイル」です。
「もっと家事をやって!」「もっと育児を手伝ってよ!」と
当てつけにように言っていた言葉は
私の本当の思いとは、少し違っていました。
「もっと○○して!」の奥にある、本当の気持ちは?
パートナーにモヤモヤしたときは、相手を変えようとする前に、
まず「私は本当はどうしてほしいんだろう?」「何が不安なんだろ?」と自分の気持ちを整理してみるのも一つの方法です。
紙でもスマホのメモでも構いません。
よかったら、次の5つの質問を自分に聞いてみてください。
モヤモヤの奥にある「本当の気持ち」を見つける5つの質問
① 何があった?
まずは、起こった出来事をそのまま書いてみます。
「夫は全然育児をしてくれない」ではなく、
「昨日の夜泣きは3回とも私が対応した」
というように、できるだけ事実だけを書いてみます。
② そのとき、私はどう感じた?
イライラした。
悲しかった。
寂しかった。
疲れた。
不安だった。
孤独だった。
正しい・間違っているを考えずに、まずは自分の中にある気持ちを見てみます。
③ 本当は、どうしてほしかった?
ここがとても大切です。
たとえば、「もっと育児してよ!」の奥には、
「少し休ませてほしい」
があるかもしれません。
「なんで私ばっかり!」の奥には、
「私が頑張っていることに気づいてほしい」
があるかもしれません。
「スマホばっかり見ないで!」の奥には、
「一緒に赤ちゃんの成長を楽しみたい」
という気持ちが隠れているかもしれません。
④ 私が欲しいのは「共感」?「協力」?それとも両方?
ここまで考えたら、自分が今求めているものを考えてみます。
「大変だったね、と話を聞いてほしい」
なら、共感。私はまさにこっちでしたね。
「今日はお風呂を代わってほしい」
なら、協力。
「今日はお風呂をお願いして、そのあと10分だけ今日あったことを聞いてほしい」
なら、両方です。
⑤ それを、どんな言葉なら伝えられそう?
「もっとちゃんとしてよ」
「なんで分かってくれないの?」
では、相手も何をすればいいのか分からないことがあります。
たとえば、
「今日はお風呂をお願いしてもいい?」
「解決してほしいわけじゃなくて、10分だけ話を聞いてほしい」
「今日は家事を少しくらい後回しにして、一緒に赤ちゃんを見ながらゆっくりしない?」
そんなふうに、自分が求めていることを少し具体的にしていくことができます。
まずは「自分が分かる」だけでもいい
ここまで読んで、
「こんなふうにパートナーに言えるかな……」
と思った方もいるかもしれません。
すぐに上手に伝えられなくてもいいと思います。言ったってなかなか伝わらないものです。。
今でも何度も伝えていますが10年かかってやっと少し理解してもらえたかな?って程度ですw
まずは、
「あぁ、私、本当はこれが寂しかったんだ」
「私が欲しかったのは、手伝ってもらうことより、分かってもらうことだったんだ」
と、自分自身が気づく。
それだけでも大切な一歩です。
自分の本当の気持ちが分からなければ、相手に伝えることも難しいからです。
そして、これは自分だけの話ではなくて
パートナーにも、
「今、何がしんどい?」
「どうしてほしい?」
「何を大切にしたい?」
と聞いてみる。
お互いの気持ちを知るところから、コミュニケーションは始まるのだと思います。
産後の余裕のない時には難しくても少しづつ対話をしてくことがとても重要です。
私の夫の話をすれば
夫は予定外のことが起こるのが大嫌いで「ルーティン」大好き人間。
きっちりしたいし完璧でありたい人。時間通りに寝たいし、衣食住をきちんとしたい。
料理以外の家事は私より上手で丁寧。誰よりもフットワークが軽くずっと動いている人です。
ゆっくりするのは「やることをやってから」が合言葉。
そしてやったことを「褒めてほしい」し「感謝してほしい」と思っています。
産後のあの時、きっと彼にとってはすごくイレギュラーで
入院中は夫も一緒に病室に泊まる決まりだったのですごく疲れていただろうし
日常がガラッと変わって「なんとかして日常を取り戻さなくては」と必死だったと思います。
私も彼に「大丈夫?」と言えなかったし
「ありがとう」も言えなかった。
彼の「大切にしたい」気持ちに寄り添うことができていなかった。
「色々手伝ってくれてありがとう。大変だけど、ちょっとだけ一緒にゆっくり赤ちゃんと過ごさない?」
「ゆっくりはなしをしない?」と言えたらきっと違っていたんだと思うんです。
夫婦の「ちょうどいい」は、ずっと同じじゃない
私たち夫婦は今でも、がっつり「共同経営者タイプ」です。
お互いが自立して、それぞれのできることをする。分業スタイル。それは私たち夫婦の強みでもあります。
いつも共感していればいいわけでもないし、状況によっては共感できないこともあるし
分業といっても家事や育児をきっちり半分ずつにすればいいわけでもありません。
共感と協力のちょうどいいバランスは、人によってもその時の状況によっても違う。
同じ夫婦でも、そのバランスはライフステージの変化によって変わっていく。
赤ちゃんが生まれたばかりの頃。
体調を崩した時。
仕事に復帰するとき。
子どもが成長したとき。
仕事が忙しいとき。
家族の状況が変われば、「今、相手にしてほしいこと」も変わります。
だから大切なのは、
「今、どうしたい?」
「何がしんどい?」
「どうしてもらえると嬉しい?」
と、お互いに対話を続けることかもしれません。
そして、自分自身にも、
「私は今、本当はどうしてほしい?どうしたい?」
と聞いてみる。
夫婦のバランスは「見つける」より「模索し続ける」
私も当時、この気持ちをもっと自分で理解して、夫に伝えられていたら、また違った時間を過ごせたのかもしれません。
でも、夫婦の「ちょうどいい」は、一度見つけたら完成するものではないと思います。
家族も変わる。
子どもも成長する。
自分も、パートナーも変わっていく。
だから、
話して、すれ違って、また話して。
そのときの二人に合う「共感」と「協力」のバランスを、その都度模索していく。
それが、産後から始まる新しいパートナーシップなのだと思います。
完璧な夫婦じゃなくていい。
全部を分かり合えなくてもいい。
誰かが決めた「夫婦はこうあるべき」に合わせる必要もありません。
まずは今日、
「私は本当は、どうしてほしいんだろう?」
と、自分自身に聞いてみる。
そして、できそうならパートナーにも、
「あなたは今、どうしてほしい?」
と聞いてみる。
そんな小さなコミュニケーションを重ねながら、
自分たちにとって心地いい夫婦のバランスを、二人で探し続けていけたらいいですね。
その先に子育てを終えて「あの頃は大変だったけど楽しかったね」と夫と笑い合いたい。
振りかえってほっこり幸せな気持ちになれたらいいなって思っています。
産後のパートナーとの関係性にモヤモヤする方の何かヒントになれば幸いです。
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三重県桑名市周辺/出張産後整体Karuna 代表 植田なお
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