くしゃみで「ヒヤッ」とする産後の尿もれ。1人で悩まず、今から始める骨盤底筋ケア

こんにちは。産婦人科や産後ケアの現場で、ママたちのリハビリや身体づくりをサポートしている理学療法士の植田菜央です。

三重県桑名市を中心に、出張産後整体も行っています。

忙しい毎日の中でも、「自分の身体をケアする時間」を持ってほしい。正しい身体の知識を持って欲しい。そんな想いでこのブログを書いています。

今回のテーマは、産後の尿もれです。

くしゃみや咳で尿もれしませんか?

産後の尿もれは、決して珍しい悩みではありません。しかし、恥ずかしさから周囲に相談せず、尿取りパッドやおりものシートを使いながら、1人で我慢している方もいらっしゃいます。

「産後だから仕方がない」
「病院へ行くほどではないかも」

そう思って、そのままにしていませんか?

尿もれの種類や程度によっては、適切な評価とケアによって症状の改善が期待できます。大切なのは、1人で抱え込まず、ご自身の状態に合った方法を知ることです。

産後によく聞かれる尿もれの悩み

次のようなお悩みを聞きます。

「くしゃみをした瞬間にヒヤッとする」
「子どもを抱っこして立ち上がると漏れそうになる」
「走ったり、ジャンプしたりするのが怖い」
「いつ漏れるか不安で、外出を楽しめない」

咳やくしゃみ、抱っこ、走ったり、縄跳びなどの運動など、お腹に力がかかったときに尿が漏れる状態は「腹圧性尿失禁」と呼ばれます。

一方で、急に強い尿意が起こり、トイレまで我慢できずに漏れてしまう状態は「切迫性尿失禁」と呼ばれ、両方の特徴を伴う「混合性尿失禁」もあります。

このように、ひとことで尿もれといっても、その種類や原因は同じではありません。症状に応じて、必要なケアも異なります。

骨盤底筋トレーニングが有効

骨盤底筋は、骨盤の底で膀胱や子宮、直腸などを支えている筋肉の集まりです。尿道や肛門を締める働きにも関わっています。

特に、くしゃみや運動などで漏れる腹圧性尿失禁や、腹圧性と切迫性の症状が混在する尿失禁に対しては、骨盤底筋トレーニングが第一選択の保存的ケアとして推奨されています。

ただし、骨盤底筋トレーニングをすれば、すべての尿もれが必ず改善するわけではありません。

尿もれの背景には、骨盤底筋の機能だけでなく、膀胱の状態、排尿習慣、出産による影響、神経や骨盤内臓器の問題などが関係していることもあります。

まずは症状を確認し、自分に合った対応を選ぶことが大切です。

骨盤底筋を正しく動かせますか?

※イメージです。正確な解剖図ではありません

骨盤底筋は外から動きが見えにくいため、自分だけで正しく収縮できているかを判断するのが難しい筋肉です。

「締めているつもりでも、お腹やお尻にばかり力が入っていた」
「息を止めて、下にいきむような動きになっていた」
「どこに力を入れればよいのか分からなかった」

このようなことも珍しくありません。

力の入れ方が適切でないと、骨盤底筋を十分に動かせず、期待した効果を得にくくなることがあります。

そのため、腹圧性尿失禁や混合性尿失禁に対しては、骨盤底筋を収縮できているか確認したうえで、専門的な知識を持つ医療職の指導のもと、一定期間トレーニングを続けることが推奨されています。

なお、トレーニング中に痛みや違和感が生じる場合は、無理に続けないようにしてください。

継続が大切。でも、1人で続けるのは難しい

骨盤底筋トレーニングは、数回行うだけですぐに結果が出るものではありません。正しい方法で、一定回数、一定期間(毎日15回3セット12週間以上)継続することが大切です。

とはいえ、子育て中に運動を続けるのは簡単ではありません。

「やろうと思っていたけれど、子どもが泣いてできなかった」
「どのくらいの回数や頻度で行えばよいか分からない」
「最初は頑張っていたけれど、いつの間にか忘れてしまった」

できない日があるのは、意思が弱いからではありません。産後の生活は、自分の予定だけでは動けないことの連続です。

だからこそ、毎日の生活に無理なく取り入れられる方法を一緒に考えることが大切だと思っています。

「どのタイミングなら取り組めそうか」
「前回から症状に変化はあったか」
「負担なく続けるには、どのくらいの内容がよいか」

定期的に方法や変化を確認できる環境があると、トレーニングを生活に取り入れやすくなり、継続につながります。

今の身体に合わせた方法を一緒に考えます

私は骨盤底筋のトレーニングを一方的にお伝えするのではなく、現在の症状や身体の動かし方、生活リズムなどを伺いながら、無理なく取り組める方法を一緒に考えていきます。

必要に応じて、呼吸、姿勢、抱っこや立ち上がりなどの動作も確認し、日常生活の中で身体に負担がかかりにくい動き方をご提案します。

また、症状によっては、運動だけで対応するのではなく、産婦人科、泌尿器科、女性泌尿器科などへの受診が必要な場合もあります。必要に応じて適切な医療につなげることも、大切なサポートの一つだと考えています。

このような場合は医療機関へご相談ください

次のような症状がある場合は、骨盤底筋トレーニングや整体だけで対処せず、医療機関へご相談ください。

  • 尿もれが続き、日常生活に支障が出ている
  • 排尿時に痛みがある
  • 尿に血が混じる
  • 発熱や強い痛みがある
  • 尿が出にくい、または出ない
  • 尿路感染を繰り返している
  • 急に症状が強くなった
  • 便もれもある
  • 腟から何かが下がってくるような感覚がある
  • 足や会陰部のしびれなど、神経症状を伴っている

尿もれは、恥ずかしいことではありません。気になる症状があれば、我慢せず、産婦人科や泌尿器科などに相談してください。

おわりに

産後の尿もれは、珍しい悩みではありません。

そして、「産後だから仕方がない」と、諦める必要もありません。

症状の種類や身体の状態によっては、骨盤底筋トレーニングなどの適切なケアによって、改善が期待できることがあります。

一方で、尿もれの原因や必要な対応は人それぞれです。「とにかく鍛えればよい、締めればいい」と考えるのではなく、自分の状態を知り、適切な方法を選ぶことが大切です。

「尿もれを気にせず子どもと走りたい」
「今後の身体のために、産後からケアを始めたい」
「自分に合った運動方法を知りたい」

そんな想いがある方は、1人で悩まずご相談ください。

あなたらしく、安心して毎日を過ごせるように。今の生活と身体に合ったケアを、一緒に考えていきましょう。

※本記事は一般的な情報をお伝えするもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合や心配な症状がある場合は、医療機関へご相談ください。

About me

三重県桑名市周辺/出張産後整体Karuna 代表 植田なお

\新しい「産後ケア」/
骨盤矯正×リカバリーエクササイズ

整えるだけで終わらない!

産後に特化したエクササイズで快適で美しい身体へサポートします。

参考資料

  • NICE「Pelvic floor dysfunction: prevention and non-surgical management」
  • NICE「Urinary incontinence and pelvic organ prolapse in women: management」
  • Woodley SJ, et al. Pelvic floor muscle training for preventing and treating urinary and faecal incontinence in antenatal and postnatal women. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2020.
  • 日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会編『女性下部尿路症状診療ガイドライン 第2版』

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